映画界に大きなニュースが飛び込んできました。

東宝は11月25日、李相日監督・吉沢亮主演の映画『国宝』が興行収入173.7億円を突破し、実写邦画の歴代興収ランキングで堂々の1位に輝いたと発表。

これは、2003年公開の大ヒット作品『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』が22年間保持していた173.5億円の大記録を超える快挙です。

公開から172日間で観客動員は1231万人

封切りは6月6日、半年近くにわたりロングラン上映が続く中で、なお観客を増やし続けています。

◆世代を超えて愛された「歌舞伎×人間ドラマ」

『国宝』は、吉田修一氏による同名小説を映画化した作品。任侠一家に生まれた主人公・喜久雄(吉沢亮)は、歌舞伎俳優の部屋子となり、女形として芸に人生を捧げていく――という、渾身の人間ドラマです。

喜久雄のライバル・俊介役に横浜流星。

当代随一の女形であり、人間国宝・小野川万菊役を田中泯が圧倒的存在感で演じ、歌舞伎俳優・花井半二郎役に渡辺謙。

その妻・幸子役を寺島しのぶ、幼なじみ・春江役には高畑充希が出演。

日本映画界の重鎮から若手の人気俳優まで、強力なキャストが揃いました。

特に、歌舞伎の稽古風景や舞台の静寂、そして役者たちの矜持を映したシーンは「美しい」「重厚」「息を呑む」と多くの観客から高評価。

鑑賞後の余韻が長く残る作品として支持を集めています。

◆大ヒットの背景:副音声上映や特典が後押し

公開当初から幅広い年齢層の観客を獲得していた『国宝』ですが、秋以降はリピート勢を中心に再び盛り上がりを見せました。

11月10日には興収170億円超、観客動員1207万人を突破。

さらに15日からは来場者特典として特製ビジュアルステッカーを配布し、ファンの再来場を促進しました。

また、李相日監督に加え、歌舞伎指導の中村鴈治郎氏、振付の中村壱太郎氏による副音声ガイド上映も実施。

作品制作の裏側や演技の所作に込められた意図など、通常の鑑賞では得られない楽しみ方が提供され、話題を呼びました。

◆報知映画賞6部門ノミネートの快進撃

『国宝』は興行面だけでなく、映画賞の面でも注目されています。

第50回報知映画賞では、作品賞・監督賞のほか、主演男優賞(吉沢亮)、助演男優賞(渡辺謙・田中泯・横浜流星)、助演女優賞(寺島しのぶ)、新人賞(黒川想矢)の6部門にノミネート

批評面でも高い評価を受けています。

◆実写邦画歴代興行収入ランキング(トップ10)

順位興収(億円)タイトル公開年監督主演
1173.7国宝2025李相日吉沢亮
2173.5踊る大捜査線 THE MOVIE22003本広克行織田裕二
3110.0南極物語1983蔵原惟繕高倉健
4101.0踊る大捜査線 THE MOVIE1998本広克行織田裕二
598.0子猫物語1986畑正憲
693.0劇場版コード・ブルー2018西浦正記山下智久
792.0天と地と1990角川春樹榎木孝明
887.6永遠の02013山崎貴岡田准一
985.5ROOKIES 卒業2009平川雄一朗佐藤隆太
1085.0世界の中心で、愛を叫ぶ2004行定勲大沢たかお/柴咲コウ

長年「実写邦画最大のヒット」と語られてきた『踊る大捜査線2』を超えたこの記録は、2025年の映画史を象徴する出来事となりました。

日本映画の表現力が進化し、観客の心を掴む作品づくりが継続されている証といえるでしょう。

◆今後の展開にも期待

『国宝』はまだ上映が続いており、興行収入がさらに伸びる可能性も十分にあります。

映画賞シーズンが本格化すると、受賞結果を受けて再び鑑賞需要が高まるケースも多く、年末〜年明けにかけて動向が注目されます。

「映画は劇場で観るべきだ」と感じさせる作品が久々に登場した2025年。『国宝』の記録更新は、多くの映画ファンにとって忘れられないニュースとなりそうです。